クリニックで癌のポジティブであることをあっさり告知され、きっと心配しているだろう夫にすぐ連絡するべきかと考えてみたのですが、普段リモートで自宅で働いている夫はその日だけたまたま会社に出勤していたので彼への告知は自宅にもどってから口頭ですることにしました。何しろ前科があるので、会社にいるところに「妻が癌になりました」なんて連絡しようものならその場で「妻の看護があるので仕事やめます」と反射で言いかねません。
クリニックでの診断のあと、オフィスで定時まで仕事をして帰宅。家の片づけや夕飯の支度などをちまちまやっているところへ夫氏が帰ってきました。
ただいまーと元気よく言った後、「で、奥さんの検査結果はどうだったの?」さりげなさを装いながら棒読みで訪ねてくる夫。帰宅するなりこの話題を持ち出すところをみると、やはり相当気になっていたに違いありません。当たり前ですよね。
「あー、やっぱ癌だった」なるべく明るく聞こえるように答えたつもりでしたが、やはり少し平坦なしゃべり方になってしまったことを今でも覚えています。
「え・・マジで?」フリーズする夫。やばいじゃんと小さな声でつぶやく姿が痛ましい・・
ちゃんと説明しようか、とダイニングテーブルに夫を座らせて細胞診のレポートを見せる。結果が出るまでにやはり心配でネットでいろいろ調べていたのでレポートに書いてある内容はおおむね理解できていた私。
- 細胞診の結果、悪性腫瘍と判断された
- 女性ホルモンの感受性はほぼなく、HER2(というたんぱく質によって増殖する)が+3
- リンパへの浸潤も認められる
- 乳房の全切除とリンパ節の郭清は免れない
- 現段階での判断はステージ2B
話しているうちに少し早口になってしまい、声が上ずってしまう場面もなくもなかったがなんとか一息に話し終えた。みたら夫氏ちょっと涙目だしー。
すぐに有明がん研に予約をいれて追加の検査と今後の治療方針をたてることになっているくだりまできて、夫も落ち着きを取り戻し、「そうだよな、治療すればいいんだよな」と自分に強く言い聞かせていました。
細胞診の結果レポートを眺めながら「ここに書いてあるのはどういうことだろう」とか「これは悪い意味ではないだろうか」とか心配している様子なのでレポートは取り上げて、詳しくはまた検査するからさー、と言っておきました。
実際レポートにはあまりよいことは書いてなくて、なんかちょっと絶望的になったのも事実。とくに癌細胞を染色した写真は集合体恐怖症の私には直視できるものではなりませんでしたよ。。
癌患者は私だけど。
患者自身より、家族のほうがダメージ大きいだろうし、不安だろうなーとそれは想像に難くありません。私だって夫が癌だなんて知らされたら相当うろたえてしまったと思いますよ。
とはいえ、彼は立派な(そんな立派でもないけど)大人ですし、残念ながらこんな妻をもらってしまったのもまぁ彼の運命なので受け入れてもらうしかありません。問題は子供たちにどう伝えるのか、とうこと。