サッカー少年よ、勉強しろ!

サッカー少年から一転、2017年中学受験に向けて勉強はじめたツグオの記録。兄ナガオはサッカー三昧。

癌患者となり、医療費と仕事の関係を考える - Day2

癌患者となり、(ちなみに一般的に「癌患者」より「がん患者」とひらがなのほうが多く使われるのは漢字で書くとなんかちょっと怖い感じがするからだとか)、まず最初に心配になったのが「治療費」。

うちは夫も私も医療保険も生命保険も一切入っていません。子供が小さいころに一応夫には逓減型の生命保険には入ってもらっていましたが、下の子が高校生になったときにそれも解約しました。高額医療制度や遺族年金や傷病給付などを考えればそれほど手厚い保険はいらないし、夫が働けなくなったら私が生活を支えるだけ働けばいいだけのことなので。夫婦が同時に病気になる可能性はかなり低いだろうと考えた結果です。

ネットで調べると癌の手術費用は30万程度とのこと。我が家は高額医療のリミットが25万円あたりにあるので、月の支出のMAXは25万円と想定。会社負担で従業員にかけられている生命保険は手術1回5万円、入院1日5千円の給付だったので、ちょっとは助けになるけれど、それでも月25万の自己負担はいたい。

夫はもちろん私に働けとはいわないけれど、大学生&大学院生のいる家計としては医療費の負担は大きすぎる。ん-、、自分の治療費くらい自分で賄うしかないか、と覚悟をきめましたよ、えらいなー、私。

病気をかかえて仕事をすると周りの人に迷惑をかけるので退職したほうがいいんじゃないかともちろん私も考えましたし、感じました。でも一方で、会社は従業員の生活に少しくらい責任もってくれてもいいんじゃないの?うちらファミリーじゃん!とちょっと勝手な考えをもったりもしました。しかもファミリーじゃないし。

外資は結構短期的な収益見込みでコスト削減をはかるのでリストラも日常的に走っています。結構厳しい状況にあるのでクビになっても文句はいえないものの、自らやめるという必要もなかろう、ととりあえず直属のマネージャーに相談してみました。

「えー、大変悲しいお知らせがあります。わたし、癌がみつかっちゃいまして。」

当然のようにマネージャーは絶句、その後首がおれちゃった?くらいガクッとうなだれてしまいました。

「えー、私の希望としては、(体力的に)働けないかもしれないけれど、働き続けたいです。」

頭の回転の速いマネージャー氏の脳内コンピューターが動く音が聞こえた気がします。

「無理はさせられない、できるだけサポートする、仕事はこの先も多い、治療計画がきまったら教えてほしい、海外にいる上のマネージャーにも相談しておく」とテキパキと回答されました。彼女なりにショックを受けている様子もあるにはあったのだけど、それ以上に臨時社員を雇用するのかとか、あるいは他の誰かに私の仕事をカバーしてもらうのか、仕事に穴をあけないことを考えなきゃいけない立場だからね、彼女は。

癌という言葉の持つパワーは大きい。不吉なにおいがするし、できれば目を背けていたい。だから癌を患った人間が身近で働くことは多くの人にストレスを与えるかもしれない。

こちらによると、癌と診断されたとき3割強の人が離職を検討するという。「びっくり離職」という言葉が的を射てるね。でも離職すると治療費がまかなえんのよー。かといって癌保険にはいっておけばよかったとも別段思わないです。

この先どれほど体調が悪くなるかは全く予想もつかないですけど、いい大人なので自分の治療費くらいは自分で面倒みれるよう、働き続ける選択をした私でした。上司と家族と周囲の理解があってこそなので、そこは深く深く感謝です。