サッカー少年よ、勉強しろ!

サッカー少年から一転、2017年中学受験に向けて勉強はじめたツグオの記録。兄ナガオはサッカー三昧。

化学療法の説明を受けた日。謙虚な自分であることを願う。- Day36

抗がん剤治療にむけて乳腺内科の先生の診察がありました。それまでは乳腺外科の先生の診察のもと検査をうけていたのですが、HER2+のがんは薬がよく効きますし、かつ私の癌は4センチと6センチらしいので手術でとるのはやっかい&リンパにも転移しているので、目に見えない体中に回っているであろう癌の種を抗がん剤でやっつけることが先決だそう。というわけで化学療法(抗がん剤)のため内科治療が始まることになりました。

最初に先生に「治療について何かご希望はありますか」的なことを聞かれて「治療はしたくありません」とつい仏頂面で答えてしまいました。先生は「ほう?」といった感じで「どうして治療はしたくないのですか?」と聞かれました。髪の毛が抜けることが嫌なんです、それだけですけど、、という私に、そうですか。と先生。私の発言に異を唱えるわけでもなく、深堀するわけでもなく、そうですか、とだけ。

この日、診察に付き添うおうか?という夫には時間がかかるだろうから大丈夫だよ、といって自宅に残してきました。、夫の前で「治療はしたくない」というと彼をとても悲しませてしまうので、この日は一人で診察をうけることに。冗談ばっかりいう夫がいないと私一人ではあまりにも不愛想で、先生にもうまく質問できないんだなぁと思わずにはいられませんでした。

このままではいかん、と自分のスイッチをいれかえて、正確に話ができるよう何度も言葉を言い換えながらこのまま治療しなければどうなるのか、どのように死ぬのか、などを質問しました。

先生曰く、「この乳癌であなたが死ぬことはありません。でも転移するし、すでに体中に癌の種がまかれている状態ですので、転移した癌は命をおびやかします」とのこと。転移していない癌は初期癌で根治が可能だけれど、転移してしまうとあとはいかに癌をコントロールするかという話になるらしい。

無理強いはしません。でも転移したらその癌に対して抗がん剤治療をすることになりますよ。と話す先生に、結局私は自分の率直な気持ちを話すことはできませんでした。

化学療法と手術の関係、抗がん剤の種類、副作用、スケジュール、諸々を説明していただき、なんの感慨もいだけないまま、ただただうなずくだけでした。

治療はしたくないんです、短くてもいいからちゃんと生きていたいんです、抗がん剤の副作用に苦しみながら、癌を乗り越えて、見た目に変化がおきて、乳房を失って、あと20年生きたいとはどうしても思えないんです。

 

とはいえ、私の癌は初期癌なので、先生にしてみたら多分そんな大したことない病気にどうしてそんな感情的?と思うレベルなのかもしれない。髪の毛なんてそのうち生えてくるよ、乳房だって二次再建できるよ、って思ってるかも。命をまっとうすること、できる限り長く生きようとすることが医療の世界では正解なのかな。

治療できるという幸運を謙虚に受け入れることが私には一番必要なことなのかも。病気をするとそれを知っている周囲の人から甘やかされますからね。気を使われて甘やかされて「こっちは癌なんだから大事にしろよ!」みたいな癌暴君にならないように。

Before癌もAfter癌も変わらずいようと決めたのだから。

神様、どうかカッコいい私のままいられますように。