気が付けばツグオもあとひと月で小学6年生。U-10からはじめた地域トレセンもその集大成となるU-12を目前と控える時期となった。
2年間一緒にボールを追い続けたトレセンメンバーは当然のようにU-12トレセンへ意欲をもやしている。子供たちは成長著しい時期なだけにU-11既存のメンバーがそのままU-12トレセンへ選出されるとも限らない。トレセンセレクションに加えて、今年はクラブチームのジュニアユースセレクションも始まるため選手たちのモチベーションも高くサッカーに対する情熱をひしひしと感じる。
が、我が家のツグオは、あっさりと「トレセンはやめる」と言い放ってきた。
私立中高一貫校に通う兄を見ているツグオにとって、中学受験はもはや疑うべくもない流れのようなものなのだ。小学6年生ともなればサッカーはひとまずお休みして勉強一筋!と決心を固めたらしい。
「サッカー、やりたいんじゃないの?スクールだけでも通う?」という私の問いかけに「スクール通うと大変だってナガオが言ってた。」ときっぱり答えるツグオ。
兄の声は神の声。トレセンもサッカースクールもやめることなく中学受験を終えたナガオは周囲からは賞賛されがちだが本人いわく「大変すぎだった。なんであんなことしちゃったんだろう?」というのが本音のようだ。
夏合宿は?との問いに対しても「夏期講習があるから勉強する。」と彼の意向はゆるぎない。気持ちはすでに「勉強>>サッカー」となっているようだ。
中学受験賛成派の母としてはもちろんうれしい限りではある。が、もろ手を挙げて喜べるかというとやはり複雑な気持ちはある。サッカーの才能があるとは思わないものの、サッカーが好き!という大事な気持ちを私は摘んでしまったんじゃないかな、みたいなちょっとした「恐怖」を感じるのだ。(まぁどんな選択をしたにしろ何かしらの恐怖はついてまわるものだから。。親業とはこういう「恐怖」との戦いなのかもしれない。)
トレセンコーチにセレクション辞退を承諾していただき、ツグオのトレセン生活はしずかに幕を引いた。2年間にわたるコーチ・スタッフ・保護者のみなさんのサポートには感謝の一言しかない。一緒に練習した仲間とこの先どこかのピッチで再会することが本当に楽しみだ。ながらくお世話になったサッカースクールも退会し、コーチに「地元でサッカー続けろよ!」と声をかけてもらった。おっかないコーチだったけどツグオは割と好きだったんだよね。
これで彼のサッカーは週に1回の自チームの練習だけになった。全日本少年サッカー大会(全少)には参加するつもりだからチームメイトの足をひっぱらないように短い練習時間に集中しなければだね。
思うところ多い春となったが、ツグオ本人はいたって前向きに勉強に取り組んでいるのでそれだけは救いだな。
小学6年生からはじめる中学受験。心配は多いけれど不思議と不安はない。ツグオなら間違いなくやりきる。