サッカー少年よ、勉強しろ!

サッカー少年から一転、2017年中学受験に向けて勉強はじめたツグオの記録。兄ナガオはサッカー三昧。

乳房全摘出手術 入院日8日目 (手術6日後)リハビリ教室- Day 262

入院生活8日目にもなると1日の過ごしかたがわからない。朝5時すぎに目を覚まし、同室ベッドの方の迷惑にならないよう少しモゾモゾ。6時になると電気がつけられるので、そこから活動開始で白湯をいれてのみ、体重測定。白湯をとりにいくと私と同じように朝を待ちきれない人が数人あらわれるので挨拶と短い会話をして1日をスタート。

この日は朝の健康チェックでドレーンから出た滲出液の量が50mlとなっているのでギリギリのラインで翌日の退院が許可されました。ヤッター!やっと帰れる!入院前から「前回の治療入院の際は二泊三日だったのに激退屈でしたので最短のステイにしてもらいたい」と懇願していたので先生もギリギリのラインで退院GOをしてくれたみたい。私の場合、子供も大きくて家事負担もないし、病院も近いので少々のことなら大丈夫と思ってもらえたのかも。そんないい加減な判断はしないかww 入院後初めて実母から「どんな調子なの?」みたいな連絡がきて、なんとも薄情な人だよ、となじりたい気持ちがむくむくと湧き上がってきたけれど、それでは今世の徳が下がってしまうので「元気だよー」とだけ返しておいた。

リハビリ指導をうけてボルダリング再開を目標とする

この日はリハビリ指導。指定時間にリハビリルームに行くと乳腺外科入院中の患者が6人ほど集まっていた。全摘だったり部分切除だったりリンパ節郭清だったりと術式は違えどみなさん術後。年齢もバラバラなのでやはり若い人の方が回復が早いような気がしますね。リバビリ指導の先生にレクチャーをうけながらみんなで同時に腕を伸ばしたり肩を回したり。体が伸びて気持ちいいことを感じてください、といわれて一生懸命腕の上げ下ろしをしてたらそれだけで結構汗をかきました。

リハビリの先生の説明曰く、「腕が伸びない、伸ばすと痛いと感じるのは、手術の傷のせいではないんです。それが証拠に、眠っているみなさんの腕を第三者が動かしたら腕は簡単にあがります。上がらないのは、傷が痛むのではないかと体がむやみに術後の腕や肩をかばって体が縮こまってるからなんですよ。」とのこと。えー、そうなの、意外!

とにかくリラックスして腕を伸ばすように、とのこと。

私、もともと肩甲骨周りがやわらかくて、背中手繋ぎも余裕でできます。右腋窩のリンパ節郭清をして、もうこんなこともできなくなるのね、と術前は思っていましたが意外なことに術前と同じくらい肩甲骨周りは動いてくれて。ただ二の腕の内側はさわるだけで飛び上がるくらい痛いし、前腕の内側もつっぱり感がすごくて組んだ手をひっくり返して腕を伸ばすと強い痛みがはしります。右手首の動きが悪いこと、二の腕の内側をスムーズに伸ばすことをまずは目指さないと、ですな。

抗がん剤治療を始めた時にも言われたことですが、治療の目標は「今までどおりの生活をうすること」なのでとにかく普通の生活をしてください、とのこと。今までやっていたことを我慢したり制限したりする必要はないし、できないことがあればそれをできるように薬を追加したり変更したりしましょう、と内科の先生にいわれました。

リハビリの先生も、手術前と同じ生活ができるように頑張ってね!と言ってましたねぇ。言われてみればその通りで、手術したからといって何かを諦める必要は一ミリもないわけで。

というわけで、右乳房全摘出、腋窩リンパ節郭清した私のリハビリの目標はまたボルダリングできるようになること!リンパ浮腫に気をつけながら山にも登りますよ!なせばなる、なさねばならぬ何事も、なさぬは人のナントカだ٩( 'ω' )و

乳房全摘出手術 入院日7日目 (手術5日後)リンパケア- Day 261

病院の消灯は10時。そんなに早くは寝られないという人もいるかもだけど、山小屋にいくと夜7時には寝ちゃえる私にはなんてことはない。午後10時に寝て、夜中何度か目が覚めて、まだ朝じゃないのかとがっかりして、最終的に6時前に起床。あーなんて健康的な生活かしら。

この日も朝5時半に自然と目が覚めて(というか同室の方のいびきアラームで起きたんですけど)、そっと部屋を抜け出して白湯をもらい、ベッドにもどってサボリーノの朝パックをしてたら前日入院された隣のベッドの方の目覚ましアラームが鳴り始めました。初日だもん、月曜日だもん、そりゃアラームも鳴るよね。しかもピカチューの声のアラームってかわいいね、なんて思っていました。ところが待てどくらせどアラームを止める気配がない。さては同室の女性のいびきがうるさくて耳栓してるのかも!と思い、起こしてあげるべきか悩んだのですが結局本人が気づくまで放っておきました。ヘッドフォンで音楽聴いてたらきにならんし。

ところが、その後ラウンジでお茶飲んでたら同室の女性(私の病室は4人部屋で、この方とアラームの女性と私の3人が在籍中)が憤慨した顔で現れました。「あの電子音、不快で仕方ない」みたいなクレーム。確かに携帯のアラーム切ってなかったのは手落ちではあるけれど、1回目のことだし、そんなおこんなくても。

あんなの朝から鳴らされたら眠れない!と怒る女性は70歳。「朝6時のアラームより、一晩中きかされるあなたの豪快ないびきのほうが相当迷惑ですよ」とは言いませんでしたが。ww 山小屋慣れしている私はまぁ我慢できますけど、他の方はそうとう辛いと思いますよ。この女性、いつもよく眠れていないと看護師さんに話していますが、結構な音量のいびきを一晩中かいていらっしゃるので、眠れていると私は思います!

まぁ、大部屋ですし、お互い様ということで。と件の女性はなだめておきました。ww

病院でツラツラと病気のことを考える

日がなやることがないので、ツラツラと病気のことを考えていました。日常では同じ病気の人に会うことはなかなかないし、出会っていても普通わかりませんし。その点入院中に病棟で出会う患者さんは100%乳がん。ww だって乳腺腫瘍外科だもん。

なんとなくおしゃべりをしていると多くの方が「告知されたときは頭が真っ白になった」とか「三日三晩泣いた」とかおっしゃってました。我が身を振り返るとまぁそんなこともあるだろうくらいにしか感じなかったなぁ。あと遠方から通院・入院されている方もいて、ここの病院ならこの病気を治してくれると信じている、とか耳にすると「おお。その生への執念を尊敬します」とか本気で思います。子供を育てたいとか守りたいとかならそのお気持ち痛いほどわかります!と思うんですけど、私くらいの人生折り返しちゃってる諸先輩にはまぁほどほどでよくない?という気持ちを共有したくなります。しませんけどね。

私なんてもともと治療さえしたくなくて、無治療なら2年はもちませんよ、といわれて、2年生きられれば十分じゃん!とか思っていました。病状がすすんで転移するととても辛くなると思うので軽々に言ってはいけないことですが、もし周囲に迷惑をかけることなく静かに息をひきとれるなら・・。実際は周囲に迷惑をかけるだけなのでがんばって治療しないといけません。

昼前に在宅勤務している夫がプラっと顔を見に病院に寄ってくれました。そういう小さな出来事がやっぱり嬉しいあたり、私もやはり人の子です。( ´∀`)

リンパケア指導

この日の午後はリンパケアの指導をうけました。専門の職員さんからリンパ浮腫についてのベーシックな説明があり、私はリンパ節郭清をしているのでリンパの回収先がないためむくむ可能性があることの再確認です。生活習慣の話をして、とにかく運動すること、疲れたら休むこと、を何度も言われ・・・いや、実は「疲れた」がよくわからないんです、私・・とエンドレスで仕事をしてしまうことなどを話したら「ではタイマーをかけて1時間ごとに横になるとかしてください」となかなか実用的なアドバイスをいただきました。

頭痛がするとか熱が出て動けないということはあるのですが「疲れて動けない」という感覚はほぼありません。日頃はそれで何ら問題ないですけど、今後はそこからリンパ浮腫を起こしてしまう可能性があるわけで。ええ。これからは無理して休みますよ!

あと蜂窩織炎だけは要注意なので異変があったら即病院に電話してください、とのこと。これは細菌性の炎症で怪我などで皮膚から細菌が入って炎症をおこすと高い確率で発熱して患部がぱんぱんに腫れるみたいです。あと真っ赤になって発疹もでるとか。あとで看護師さんとその話をしたのですが、乳腺科では蜂窩織炎(なんならリンパ浮腫)も見たことないので、と言っていたので少し安心しました。

ドセタキセルのむくみとリンパ浮腫のむくみは発生のメカニズムが違うのですが、それでもやはりむくみやすい体質ではあると思うので、今後はほんとむくみには気をつけようと思います。

リンパ郭清した側の腕の怪我はダメ・・ボルダリングするたびに腕とか手の甲とか傷だらけにしてしまうんですけど。だいたい腕を酷使したらいけないって言ってたし、ボルダリンはもう無理なのかな。

いや、やりたいことができなくなっては生きている意味がないので、治療がひと段落したらまたボルタリングは絶対やるのだ!

まずはリハビリから٩( 'ω' )و

oshiete-gan.jp

 

乳房全摘出手術 入院日6日目 (手術4日後)リハビリに勤しむ - Day 260

入院も6日目ともなると、「何もしない」ことに飽き飽きしてくる。もともと生き急ぐタイプなので何かやっていないと気が済まない。一応仕事用のPCも持ってきているけれど、上司から見るなといわれているし、見ると見たで仕事をしていない自分に気が滅入りそうだし、あーこんな気持ちになるならやっぱりPCもってこなきゃよかったなーと思わずにはいられない。ノートPCを2台も持ち込んでいるのはきっと私くらいだろうな。

さて、術後4日たっても痛みはほぼなく、術側の右腕もよく動きます。耳の横まで腕をまっすぐ伸ばすのは左手でサポートしないとですが、自分的には合格範囲。右の腋窩リンパを郭清しているので右の二の腕と肘の内側が重だる痛いので、これをなんとかしたいなーといった感じ。腋窩リンパがどの辺にあるのかいまいち分かってませんが、手術後は右の脇の下がめっちゃボッコリと凹んでしまっているので、ここの何かをとったのだな、といった感じです。これからはとにかく腕のリンパ浮腫にならないよう残りの人生を歩むつもり。

この日は日曜日で体重測定あり。上着を着ていたにも関わらず、体重は入院時より1.5キロ減。6日で1.5キロ痩せるはずもなければおっぱいがそんなに大きかったはずもない(Dカップなので350gくらいかな)のでこれは体のむくみが減ったものだと思います。辛い入院生活での唯一よかったことです。^^

そして、日曜なのにやることがなくて退屈していた夫が差し入れにきてくれました。持ってきたものは・・

  • 次男の食べ残したこっこ
  • こんにゃくゼリー24個入り×2袋
  • ライトミールブランサンド
  • 食塩無添加ミックスナッツ250g
  • ピスタチオナッツバー
  • ルルドマッサージガン
  • シートパック5枚

マッサージガンとシートパックは私のリクエストですが、残りは彼のチョイス。確かに私の好物ばかりだけど・・すぐ退院するつもりの私には量が多すぎww

こんにゃくゼリーは同室の方に少しおすそわけ。こっこ(しかもストロベリー味)も分けてあげたいけど、乳がんの人は体重管理必須なので自粛です。

マッサージガンは入院前に複数の知人・友達から「めっちゃいいよ!」と勧められていたので入院直前にアマゾンで注文していたものです。中華製の安いやつにしようと思ったのだけど夫がリセールを考えたら日本製の方が・・というのでルルドのマッサージガンにしました。シックスパッドでもエクサガンもなくルルドなのは背中マッサージのためのアームが付属していたから!店頭で試してみたところこれがめっちゃ便利だったんですよね〜。本体重量も220gと大変軽量で使いやすいです。

ルルドの足用の空気圧マッサージャーは毎日愛用しているので製品には抜群の信頼感あり。病室ではタリーズのコーヒー飲み飲み、ネットフリックスみながらこのマッサージガンでふくらはぎや背中をマッサージしています。ちょっと早めの幸福な老後みたいな生活ですな。

退屈な入院生活、少しでもご機嫌に過ごせるよう工夫中です。

乳房全摘出手術 入院5日目 (手術3日後)ドセタキセルの副作用が低減 - Day 259

5日目ともなると入院にもすっかり飽きてしまいました。4人部屋同室の女性2名が同時退院、私の病室はすっかり閑散としてしまいなんだか寂しい。退院していく女性に「私も連れて行ってー」と泣き縋って見ましたが「連れていきません」とばっさり捨てられましたww 短い間の「同じ釜の飯」仲間です、この先また外来で会う日を楽しみしています。

入院生活にはすっかり飽きてしまいましたが、今日のグッドニュースは、ずっと苦しんでいたドセタキセルの副作用と思われる足のむくみと筋肉痛がぐっと低減してきたこと!ラストケモが12/14だったので、1ヶ月と1週間たってやっと副作用が抜け始めたといった感じです。3週間くらい前から歩くのも辛くて階段は手すりがないと昇降できなかったほどでした。が、今は普通に屈伸ができる!正座しても太ももとふくらはぎの間にでっかいゴムボールが挟まっているような感覚がかなりなくなりました。

むくみがひどい間はふくらはぎがカチカチで手でマッサージしてもめちゃくちゃ硬くてびくともしなかったのですが、昨日あたりから片手で掴めるサイズになり揉むとちゃんと筋肉がつぶれるようになってきました。QOLは格段にアップです。

体重も入院してから1キロくらいは落ちた感じかな。手術もありそのむくみもありで体重はまだ定まりませんが体はかなり軽くなってきた感じがあります。病院食は厳格にカロリー制限しているのでこの食事が続けば痩せることは間違いなさそうです。

そして乳腺内科の主治医の先生もお見舞いにきてくれました。乳腺内科も外科もめちゃくちゃ忙しいのでどうせ忘れているだろうと期待していなかったのですが、「内科は何の役にも立ちませんが入院の際はお見舞いにはいきます」という約束を果たしてくれました。ありがとうございます、先生。

今後の治療についてはやはり病理の結果次第ではあるものの、完全奏功の可能性より、完全奏功じゃない可能性の方が高いかな、と。パージェタ+ハーセプチンになった場合、前年末に行った治療時の副作用は確かにマイルドでしたが急激な下痢に襲われて「人間失格」の烙印をあやうく押されそうになる場面もあったので、そこ注意しないとね。完全奏功「じゃなかった」場合、カドサイラになるのでそれはなんか嫌だな、といったら「カドサイラは副作用もマイルドだし治癒成績もパージェタ+ハーセプチンより少しいいから、完全奏功でもカドサイラを希望する患者さんもいるんですよー」と先生はいつもの困った顔で説明してくれました。ふむ、確かにガンの種はもう体の中にはいませんよ、といわれても万が一の取りこぼしを考えたら念の為カドサイラでやっつけておきたい、という考えになるのもわかるなぁ。

ともあれ、内科にお邪魔するのはもう少し先。退院後は2週間後に外科で傷をみてもらって、その後は5weeksの放射線治療がまっています。(これまた憂鬱・・)

退院の目安はドレーンから出ている滲出液の量が70ml/day。今のところまだ100mlくらいあるから、、あと2日くらいは病院暮らしの覚悟です。念の為仕事のPCも持ち込んでいるのでなんなら1月くらい滞在もできるけど。なーんて、絶対嫌。仕事もしたくないし!

早く家に帰りたいなー。

家から持ってきて読んだ本2冊目はこちら。幸福になるためのTIPS満載の良書です。結論はシンプルなんですけど、精神論とか誰かの思いつきではなく膨大なサンプル検証と科学的な考察に基づいているので納得感がありました。

乳房全摘出手術 入院4日目 (手術2日後)- Day 258

手術から2日目。

昨日まではなんとなく恐る恐る動いていたけれど体の回復はどうしてなかなか早いもので、2日経つと手術した側の腕を動かすことも割と平気になってきました。順応早いぞ私!えらいぞ私の体。

リンパ郭清をしているのと右胸を大きく切っているので傷が固まると腕ががりにくくなってしまうということなので若干の痛みはあるものの右腕を積極的に動かしています。左手で引っ張り上げれば右腕も頭の上まであがるのですが、あげる途中で「ポコ、ポコ」と小枝を折るような音が脇の下でするんですけど・・何これ?なにか引っ掛かりがあるみたいに腕をおろすときにもポコポコと音がする。怖い、、

手術前に恐れていたほどには右腕の可動域は狭くなってないけれど、気を抜くととたんに動かなくなることもあるようで、術後6ヶ月は地道なリハビリが必要。そして、動くには動くけど右腕が恐ろしく重くて、腕をあげるのに二の腕の筋肉をめっちゃ使っている感じがあります。手術で筋肉は切り取ってないはずなので体のバランスが悪くなったのかなぁ。そのうち少しは慣れてよくなるのだろうけれど、右腕の筋力を鍛えなければならないかもしれないですね。

この日からシャワーもOKとなりました。首から下げてるドレーンパックのポシェットはお風呂用のメッシュポシェットにチェンジ。首から下げたままシャワーに入るのですが・・・ここで大きな問題が。

「手術の傷跡が怖くて見れない」

看護師さんからは、無理してみなくていいですよ。でも今の傷とその周りの状態と今後の状態を比較してほしいので、徐々に慣れましょう、と指導されました。退院後は自分で腫れたり変色したりしていないか観察していかねばなりません。ええ、わかってますよ、現実を受け入れなければならぬことは。みて見ぬふりできないことは。でも怖いんですよー。

平均よりやや図太めの神経を持つ私でさえ、乳房全摘出の傷跡を見るのは怖い。触るのも怖い。いわんや世のセンシティブな乙女をや・・

そんなこと考えながら裸になり、シャワーを浴びようとしたら否応なく目にはいってしまいましたよー傷跡。幸いメガネをはずした低視力の私にはほどよいくらいのぼんやりさでショックは低減されました。

お化けはいるかいないかわからないから怖い。傷跡は想像するから余計に怖い。だから思い切ってみてしまえば、お化けは消えるし、傷跡は想像よりずっと綺麗でしたよ。その後鏡に映った自分をみて、若干涙目になるものの、今が最低、これから傷はよくなるしドレーンが入っているがゆえの凸凹もなくなると思えば・・・大丈夫かも!

世の乳房を失うであろう後輩諸君。大丈夫ですよ、乳房を失う喪失感はとてつもなく大きいですが私たちはこれを乗り越えられる強さがちゃんと備わってますよー。

手術2日後はメンタル的におおきな一歩を踏み出した日となりました。

乳房全摘出手術 入院3日目 (手術翌日)- Day 257

私が入院している病室は4人部屋。私より先に入院していたのは若いくてめちゃくちゃ感じのよいコミュ力100点の女性でした。私と同じく乳房を全摘出したということで若いのに悲しいね、と感じずにはいられません。彼女自身とてもつらい思いをしていることでしょうがとても明るくて・・でもこれから化学療法をすると言っていたので、この先がイバラの道なのよ、と化学療法で人相が変わってしまった私は心配です。彼女の抗がん剤が髪の毛の抜けないタイプでありますように!と祈らずにはいられません。

その後入院してきた方は私より少し年上かな?という感じで、夜中に獣のいびきをかく方でしたww いいんです、お互い様ですから。いびきってどうやったら治るんでしょうね、私もおそらくうるさいと思うので横向いたり抱き枕したりしてますが果たして効果があるかは不明です。

術後2日目は朝食が食べられてハッピー!でも病院食はとってもボリュームが少なくて・・何が悲しいって私の体重を維持するにはこの量で十分という事実。好きなだけ食べて不健康になるか、健康で長生きでもいつもひもじい・・究極の選択ですな。

朝ごはんの後は念願の点滴ルートが抜けてこれで完全に身軽になりました。主治医が傷の具合をチェックしてもう普通に生活していいよーというので、病院内をぐるぐる散歩してみたり、コーヒー飲んでみたり、椅子に座ってると割と普通に生活できてます。反射的に腕を伸ばしたり腕をテーブルについたりするとズキっと胸が痛むこともありますので意識してゆっくり動かないとな、と思います。

体力が落ちてるのかベッドの上にいるとすぐウトウトしてしまいます。寝てしまってよいのでしょうが、何しろ根が貧乏性、この余暇をめいっぱい有効につかいたいと課題図書もたくさん持ち込んだので本も読まなければ!なのです。とりあえず一冊は読みました。

一冊めはこれww

なんとなく右腕が浮腫んでいる気がするので(右の腋窩リンパ節郭清をしています)のでことあるごとに右腕をナデナデしています。リンパ浮腫怖いんですよね、これからずっとリンパ浮腫に怯えながら生きるのかしら、と不安になりますが今はできるだけのことをしようと思います。

ガンになったこと自体は受け入れているのですが、その後化学療法で全身の毛が抜けてうる星やつらのチェリーみたいになってしまったこととか、ドセタキセルの強烈な副作用でひどい筋肉痛とむくみが出現するとか、乳房を失った喪失感とか、リンパ郭清によるリンパ浮腫の恐怖とか、次々いろんなことが起きます。乳がん諸先輩も同じ思いをしたのかと思うとなんともやるせなく、こんな苦しい治療を粛々と受け入れられる女性の強さを誇らしくもあり恨めしくもあり、です。

私のいる入院病棟にはかなり高齢の女性もいて、どういう治療かはわかりませんが(とはガンの専門病院なのでここにいる人はみんなガン)生きることも死ぬことも難しいんだな、と思わずにはいられません。

いつも思うのですが、人間は必ず死にます。死に向かって生きているのに、ゴールは「死」なのに、つらい治療をしたり高額な医療に頼ったり、なにをしても結局は死ぬのに、その過程にどんな意味があるのだろうと私は考えずにはいられないのです。ゴールが「死」から「不死」に変更可能な治療ならわかります。しかし私がやっている治療は2年以内の死をほんの少しでも遅らせようという行為でしかないんですよ。そこで得られた時間(=伸びた寿命)を私は一体何に使いたいとういうのでしょうか?もしそれが治療をするためだけの時間になってしまったらアホらしくて笑っちゃいますww

そんなことを考える余裕があるくらいの術後2日目でした。痛みはほぼなし、右腕は腕を垂らした状態から50度くらいまでは上がる感じです。ヤバイ、この調子では退院してすぐ仕事も復帰できてしまうかもーー。

お風呂は入れないので熱々タオルで自分で体を拭きましたが傷跡はまだ見れません。。

乳房全摘出手術 入院2日目 (手術当日)- Day 256

入院2日目。前日21時から絶食となりお腹ぺこぺこのまま朝を迎えました。手術は朝一8時40分に予定されていたので5時に看護師さんが声をかけてくださり、あわてて最後の経口補水液を飲み切りました。これよりあとは水分もとれません。お腹空いたー。

8時30分に心優しき夫が鷹のように優秀な長男をつれて手術の立ち会い?に登場。看護師さん、私、夫、長男の4人で手術室に向かう途中、長男が「好きな音楽とかかけてくれないの?」と素朴な質問とかしてました。もちろんそんなサービスはないよ、息子よ。記録魔の夫はここでもパシャパシャと写真をとってて、看護師さんがご家族でとりましょう、と手術室前でピースサインをする夫婦とげんなりした顔の長男という家族写真を撮ってくれました。がんばれよーの声に見送られ、患者のみが入れるエリアには工場のように手術室が並び圧倒されましたよ。20部屋くらい並んでたかな、常時オペが行われているといってました。

手術室に入るとちっちゃい手術台にねかされて落ちないように手足を固定されます。まさにまな板の鯉状態。ピカピカの無機質な手術室の無影灯をながめながら、このままグッバイ人生もありえるのか、と一人しみじみしてました。大丈夫?と覗き込む主治医の肌色があまりに白くて思わず「先生、マイケルジャクソンみたいな治療してるんですか?肌が真っ白ですよ」と言ってしまい、先生は、え?私のこと?と苦笑い。してませんよーという傍で、麻酔医の先生が「使う麻酔はマイケルジャクソンのといっしょですよ」とシュールな軽口をたたいてました。それヤバイじゃん。ww

そこからは記憶なし。気がついたら主治医はおらず、看護師と麻酔医の先生だけが手術室にいて、手術台から病棟用のベッドに移し替えられて手術室をあとにしました。ほんとあっという間というか寝てたので手術は秒でおわった感じ。手術室の外で待っていた夫と長男と少し言葉をかわし(その前に彼らは主治医から手術の詳細をきかされていた模様)病棟に戻りました。手術開始からおよそ3時間後だったかな。12時前には病棟に戻りました。

術後の痛みはあんまりなかったんだけど、左腕の手首から点滴をとっていたのでそこが地味に痛い。とはいえこの点滴は翌日まだはずれないので忍の一字でがまん。正確には覚えてないけれど2時間おきくらいに検温と血圧測定と傷跡チェックをされました。夕方になり、看護師さんから起きてみますか?ときかれ「はい!ぜひ」とやっと歩行許可が出たのでトイレまで歩き、ふらつきもないということで導尿の管がはずされました。ヤッター。さらにその3時間後くらいに水分いれる点滴もはずされ、体は一気に身軽に。乳房とリンパ節をとったところから伸びてるドレーンと滲出液をためるパックを入れるポシェットを首から下げて、最初はおそるおそるでしたが一人で移動できるようになりました。手首の点滴のルートはまだはずされず相変わらず地味に痛かった。

あと、胸の傷口はバンドで強く巻かれて保護されている感じがあったので安心感大きかったです。この日はさすがに傷口を見る勇気はなかったなー。

点滴とれた後は飲水が許可されたので、むぎちゃをごくごく飲みました。コーヒーがめっちゃのみたくてダメもとで「コーヒー飲んでもいいですか?」と聞いたところ案の定ダメでした。ww

何はともあれ手術は無事終了。考えすぎると悲しくなるので、今は怪我した野良猫が物陰でじっとしている姿をイメージしながら、静かに回復につとめます。

ドレーンパックをいれれるポシェット。いちご柄♡