私は本を読むのは好きな方だと思う。読書家というレベルには達しはしないが、いつも何か読んでいるかも。特にお風呂タイムとかお料理タイム(←煮込み中や炒め中)は脳みそが暇になるので本を読んでいることが多いかな。
中3のナガオもスポーツ少年にしては本を読む方で、ブックオフで108円の小説を買って来てはやはりお風呂で読んでいる。そして面白かったな、という本があるとよく母に「これ読んでみなよ」と勧めてくれる。息子と書評を語り合えるのはとても嬉しことなので、勧められた本は必ず読むことにしている。
完全なる首長竜の日 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) もナガオからの課題図書。2010年の「このミステリーがすごい」の大賞作品なので面白い事は間違いない。でも読み始めて結構早い段階でプロットが見えてしまったので途中で一度投げ出してしまった。結末はほぼ想像がつくから・・。
でもナガオに「最後まで読まないと真相には至らない」といわれ、そもそも小説を読破しないのも気持ち悪いので、再び手にとり本日読了した。
全体のプロットは想像したとおりで、きっと多くの人が話の中盤あたりで「あれ?」って気づくことだと思う。「胡蝶の夢」というワードが頻繁に現れ、ストーリーの不安定さに読者側もゆらゆらした心地悪さを感じるようになる。
なるほどね、この本の面白さはプロットではなく、作者の表現力ゆえなのだわ。ゆらゆらした不安定な世界にさりげなく読者を取り込んでいくような感じ。終わり方も予測どおりなんだけど、嫌じゃない。私なんかには予定調和に感じるけどナガオにしてみれば小気味い落とし方なのかもしれないなぁ、なんて思った。
読了後、これは映画には向かないね、WOWWOWの連続ドラマとかならやるかな、と思っていたらすでに映画になっていた。
・・いや、いいんですけどね。
余談・・
「胡蝶の夢」とは少し違うんだけど、現実と夢のボーダーが分からなくなる的なストーリーで私が忘れられないのがトライアングル 。今までみた映画の中でもダントツに気味が悪い映画。でもすごく記憶に残ってて思い出すたびに鳥肌が立つよ。怖い映画じゃなくて気味の悪い、という表現が一番だと思う。不安感マックス、最後のワンシーンまで見逃してはならない。いろんな人に「すごい気味悪いから観て!」と勧めているのだけど、もちろんそんな勧め方で観てくれる人などおらず・・。誰かとこの気味の悪さ感を共有したい。ホント、誰か観て。