サッカー少年よ、勉強しろ!

サッカー少年から一転、2017年中学受験に向けて勉強はじめたツグオの記録。兄ナガオはサッカー三昧。

美化フィルターにご注意を

あっという間に今年も残すところあと1か月となった。センター試験まで残り51日、中学受験東京解禁日まで残り2か月。

先日、娘さんが中学受験を控えた友人とランチをしたときのこと。中学受験って本当に大変、ナガツグ母はよく2回も乗り越えたよね、と言われた。うーん、と考えたあと「いや、でも兄ナガオの時はそんな手もかからなかったし、大変ってこともなかったかなぁ。」と答えたところ、友人は微妙な顔をしていた。

その時にはっとと気づいたのだ、私の記憶が改ざんされていることに。

長い付き合いのその友人はナガオの中学受験の時もツグオの中学受験の時も、リアルタイムで私の愚痴や嘆きを大変だねーと受け止めてくれていた。だから私の心労がどれほどのものだったか、うまくいかない毎日に、その後の未来に私がどれほどおびえていたかを客観的に記憶していてくれている。ところが、私ときたらのど元過ぎたらなんとやら、で大変だった事実の大半はなかったことに、あたかも受験がスムーズに思い通り、親子の絆をもって無事終了したかのように記憶を改ざんしてしまっていたのだ。遠い昔の恋愛を美化して胸に秘めておくのに似ているかもしれない。この改ざんは意図的ではなくほとんどオートマティックに行われる人間の性といっていい。

 

「今となっては順調にいった気がするけれど、当時はやはり大変だったのかな。もう忘れちゃったけどさ。」と訂正すると友人は、出産と一緒だよね、ものすごく大変だったのに時間がたつと忘れちゃうのって。と笑っていた。

 

中学受験シーズンが近づくと思い出すことが多く、つい中受経験母はよかれと思ってアドバイスしがちだけれど、現役のみなさんは注意してほしい。私たちのアドバイスは仮に有益にみえてもその経験談には相当な確率で「美化フィルター」かかっている。そして大抵の場合、サンプル数1の体験談であって、その成功譚も失敗談もあなたの受験の参考にはほぼならない。他人の体験談はおとぎ話レベル、娯楽レベルで聞くべきで、経験サンプル数の多さで考えれば塾講師のアドバイスが一番有益だと私は思うのだ。

 

来年の今頃は、兄ナガオの大学受験に気をもんでいるんだろうな。多彩かつ摩訶不思議な出願方法を母が理解できるはずもないので、もう全部本人まかせといったところか。