受験ブログで大人気の桜井信一さんという方がいる。毎日のブログが大変面白いなぁ、と思ってたらとても有名な方だったみたい。先日ブックオフで氏の書いた「下剋上受験」という本が並んでいるのを発見し、夫に「この本、人気みたいだよ。」と教えたところなんと夫が知っていた。
「あー、なんかテレビでみたことあるよ。このお嬢さん不合格だったんだよね?」と言うではないか。中学受験に全く関心のない男まで知っているとは。桜井さんは相当有名な方なのか。それともテレビの力がスゴいのか。
古本屋でみつけたものの、ここで購入しても桜井氏の印税には貢献できないし、と思い・・・図書館で借りて読んでみる事にした。印税に貢献できない分は同じなのでどうか許して欲しい。
実際に手にすると結構なボリュームがある本だ。なんとも扇情的なタイトルだよね・・・なんて思っていたら、案の定、中学生のナガオが私の手にある本を一瞥して眉を顰める。
「下剋上って・・」
明らかに「この俗物め」って顔で母をみている息子。母は別に何も悪いことしてないけど、そんな目つきで見られるとなんだかお尻がモゾモゾする。
「いやいや、この本の子ね、桜蔭合格しなかったんだって。」と慌てて息子に説明すると「不合格記なんて読んでどうするの?」と当たり前の反応が返って来た。
そこなんだよ。勉強の出来ない子ががんばって最難関の志望校に合格した話なら人気が出るのはわかる。でもさ、コレ、力届かず、の話なのに人気みたいなんだよ。だから気になって読んでみようと思ったわけ。
本の内容は・・・私の知っている中学受験とはあまりにもかけ離れた話でにわかには信じられない。でもあとがきで「正真正銘本当の話」って書いてあったので本当なんだろうなぁ。できればフィクションであって欲しいと思うくらい怖い。怖すぎて最後まで読めないかもと思ったくらい。(笑
ともあれ、登場人物のお嬢さんは第一志望校には縁がなかったものの、進学先の水があったようで青春を謳歌されているらしい。本当によかったと思う。そして親子が密接にすごせる最後の機会でもある中学受験を、人一倍濃く過ごした著者は幸せな人だとも思う。奥様とも仲良くなれたみたいでヨカッタ。
中学受験の意味は家庭により千差万別で、取り組み方もベクトルの向きもみんな違えば、正解もないと思う。桜井家のやり方は百パーうちには合わないけれど、他のご家庭からみたら、うちのやり方は百パー間違ってると思うだろうな。
だからお互い非難も批判もしてはいけない。
どの親も子供のために一生懸命なとこだけは同じだから。
余談・・・
読後、夫に「著者は中学受験にのめり込みすぎてヤク漬けになった」と相当はしょって説明したら「そんな悲惨な話だったんだ」と同情しきりだった。