通勤電車に乗ると目の前に「一流の育て方 」という広告があった。どどーん、と目の前。満員電車で身動きできないのでこの広告だけを眺める事20分。最初は興味なかったのにだんだんと読みたくなり・・・スマホで図書館の予約状況をチェックするとすでに24人待ち。待ってるうちにうちの子達大人になっちゃうわ〜、と思い速攻書店で購入した。
ああ、これが単純接触効果の恐ろしさかしら?あの車内広告、絶対目の前に立つ一人だけをターゲットにして、しかも確実に売り上げに貢献しているに違いない。。
本書の特徴は育児する側の話ではなく、育てられた学生達が自分の環境や育てられ方について答えている。アンケートに対する学生諸君の簡潔な回答を沢山掲載しているので、なかなかに興味深い。読んでいるうちに自分の子が大学生になった姿を想像してなんだか切なくなったりもする。
ざっくりいってしまうと、特別目新し事が書いているわけではない。常々私が「かくあるべし」と思っている教育の姿が述べられているだけだが、ややもすると忘れがちなことでもある。何のための教育で、学歴で、私達が求めるものは何なのか。学生の声は未来の我が子の声で、ブレがちな親の心に「おーい、目を覚ませ〜」と語りかけてくれるような気持ちになった。
目の前のテストの結果ではなく、教育の本質に意識を持っている方は読んでみてもいいかも。私は一日で読破し、最後のミセス・パンプキンさんのご挨拶でボロボロ涙してしまった。子供達「またお母さん泣いてるよ・・」って呆れてた。。
欲を言えば・・・
本書は日本の大学生のみを対象としているんだよね。著者がグローバルに活躍している人なら海外の優秀な学生からも意見を集めて欲しいな。東大とか京大とかエリートとか、キャッチーな言葉ではあるかもしれないけど。「一流」と呼ぶには物足りない感が否めない。